2014/10/11 [[[ GENZ ]]] - ゲンズ - LIVE REPORT -

14/10/11 [埼玉] 自由の森学園30周年記念イベント



2014年10月11日
GENZのボーカルちよの出身校、自由の森学園の30周年記念イベントが行われ、
卒業生としてライブをしてきた。

久しぶりに学校へ戻って、いろんな思いがあふれ出ちゃってるので
このレポートもだいぶ暑苦しい内容になりそう。
どうぞお付き合いくださいw



自由の森学園は、埼玉県飯能市の山の中にあって中学と高校がある。

どんな学校かというと、一言、とっても自由な学校だ。

私は高校からこの学校へ通って1994年に卒業した。
卒業してからはほとんど学校に戻っていなくて、気がつけば20年の月日が経っていた。

学校生活がとにかく楽しすぎて、卒業したあとに戻るのが怖かったんだ。
自分の精神が旅立てないことへの恐怖と、大好きな場所に自分がもう属していない恐怖。

20年も経ったら、そんな恐怖はなくなっていたけど、何しろ山の中なので、
なかなか行く機会がなかったのね。

今回は、同じく卒業生のミュージシャン ミナクマリちゃんに声をかけてもらって参加することになった。
こんなすばらしい節目に立ち会えることになってとても嬉しかった。
ありがとう〜!


では、本筋に戻る。

GENZは、卒業生のタカペー(Dr)横田清宏(G)を加えた自森仕様のメンバーで参加した。
在学中、私は二人とは面識なかったんだけど、タカペーと横田くんは軽音部の先輩と後輩。

前日Cafe Kickで一緒だったLYLAちゃんも一緒に来てくれた。
ハードスケジュールの中ありがとう☆

学校に到着すると、ちょうど準備中で、たくさんのお店やステージが校庭に作られ、見事なフェスが出現していた。



だいぶ本格的!
自由の森の卒業生は、いろいろな分野に散らばっているので、それぞれのプロフェッショナルがいる。

準備が終わり、ぼちぼち始まるぞってところで、
「はーい、みんなー、30周年、はーじめーるよ〜」
というゆるーい号令が。

こちら教員でございます。



「校庭に来てくださ〜い」

・・・

「早く来て〜??」

このゆるさ。。そうですこの学校はこういうノリでした。


何となくみんなが集まったところでイベントがスタートした。

ライブまで時間があるので、いろいろ見て回る。

さっそく見つけた懐かしい顔。
ガラス作家の松尾 一朝



彼とは在学中、一緒にお芝居を作ったり、卒業してからも同じ英会話に通ったりしてて私にとっては弟のような存在。
当時からトンボ玉などを作ってていつもガラスをいじってたな。

彼の作る作品は、ファンタジーでとってもやさしい世界。


校舎の方へ行くと、絵を描く広場。




いろんなとこに誰かの作品があるのもこの学校の特長。



写真をだいぶ撮り忘れたけど、生徒が描いたグラフィックや壁画もあちこちに。


そうそう、作品と同じくらい遭遇するのが、ギター弾いたり太鼓たたいたり歌ったりしている在校生。
いろんなとこで演奏してたよ。

正面玄関の横には大きな木!
みんなで作ったそうだ。




校舎の中に入ってみる。







ここは私が2年生だったときの教室。



久々に歩いた校舎の中には、いろんなところに思い出が落ちていて、
それらに当たると、ポワンポワンと思い出カプセルが開く感じだった。
精神のタイムマシーン。

トイレが洋式ウォシュレットになってたのには驚いたけど。


校庭に戻ると、ライブが展開中。
なんと3ステージで同時にライブをしている。
このカオス感がなんとも自由の森っぽい。

在校生のバンド。
ラブリーだった。




中国舞踊。
私が在学中からある部活。



当時から衣装も変わってなくて、同級生が踊っていた姿が重なって激しいフラッシュバック。


丘の上から校庭のショット。
これを在校生と卒業生が一緒になって作っているんだ。すごいなー!



この時にはフラッシュバックが起こりすぎて
もう自分の体がどっちの時間にいるのか解らない状態になっていた。

つまり、変わったけど変わらない学校がそこにあって、自分もあんまり変わってないってことか。

流れている空気が同じだったなー。

まだこの時はのどかな感じだったけど、この後わたしたちは、この学校の真髄を目の当たりにすることになる。

そうなの、ただのゆるい学校ではないのだここは…。

(しばらく、ほんわかムードが続く)


在校生のバンド。この日のことは一生忘れないよね!
バンド名がことごとくわからなくてごめんなさい。




この日ライブをしたたくさんの在校生のバンドの中から、
将来スターが生まれるかもしれない。


車に絵を描いてる。




太鼓。
太鼓は授業でやるので、みんなたたける。
在校生と卒業生が入り混じってひとつのリズムを作りだした。



好きなだけ叩いたら、次の人とどんどん交代してくシステム。


大人気だったハイジのブランコ。



先に載せた校庭を見下ろすショットはこのブランコのすぐ横から撮っている。
で、想像がつくかもしれないけど、落ちたら洒落にならない高さ。
このブランコは信頼でなりたっている。


浅草サンバカーニバルでも有名な自由の森学園サンバ音楽隊。



いろいろなところに出没しているそうなので、見かけたらぜひ応援してね☆

サンバ隊がやってくると、周りの音がぜんぶサンバになる。
ハーメルンの笛吹き男みたいに、ぞろぞろギャラリーを増やしながら進んで行った。


コケストラ や ノノホとコーセイで活躍の小田晃生くんのライブ。
その存在はずっと知っていたけど、なかなか巡り会わなくて、ついにライブを見れた。しかも学校で。
まわりを幸せにしてしまう音楽だった。



早い時間にやってた“ノノホとコーセイ”のライブも見てたんだ。お子様がいっぱいだった。


さてさて、いよいよ校庭ライブ トトココの出番。
トトココは一緒にイベントをやったりしてる仲よし。
familyslowこと高橋ヒロトと、菜七子のユニット。
ヒロトが卒業生。



タカペー&横田君はこちらのライブにも参加。



ヒロトとは自由の森の後に行った学校も一緒で、長い長い繋がりだなー。
未だこうしてみんな音楽をやってるのはすばらしい。

何事も続けていくことの大切を感じた。


トトココの次は私たちGENZ。
メンバー2人は据え置き。

ライラちゃんが踊って花を添えてくれた。
ありがとー!!



歌いはじめると、お馴染みの面々、懐かしい面々、いろいろな知ってる顔が視界に入って来た。

学校帰りに毎日のように家に遊びに行ってたミサコファミリーと、
大人になってから知り合ったヨシノちゃんが並んでこっち見てる。

十代の私と、そろそろ中年にさしかかろうとしている二つの私。
それが同時に存在してるような感覚。
こんな体験は一生のうちに何度もないぞっ!!!!

私は必死でその瞬間を心に焼き付けた。
そして歌った。





盛り上がったー!よかったー!

ライブ前に笑っちゃうくらいバタついてしまいw
それも自由の森らしい思い出になった。

一日このステージでPAをしてた在校生。がんばったねー!ありがとう。


ライブを終えたら、「おおはしちよ〜!」と声がした。
振り返ると、私の卒業制作のお芝居で主役を務めた戸田修輔がお子の手を引いて現れた。
チョロチョロして歌とソーラン節のうまかった中1の少年は、ひょろっと背の高いおっさんになっていた。
フルネームで私を呼ぶのは変わってないが、むむ、あの少年が、今ではかわゆい女の子のパパなんだと!

20年という月日を一番実感したのはこの時だったかも。


そんなそばから、ライブを終えたトトココがバナナでかんぱーいとやってた。
これは21世紀の私の周りでありがちな風景。なんだかもうよくわからん。



卒業生じゃないけど、すっかり溶け込んでいるぞ、後ろの二人!


さて、ライブも終わったし、あとは楽しむだけー!

アコちゃんのキッシュをいただいた。
アコちゃんのおいしいキッシュは新宿クリシュナで食べれるよ☆


再び校舎の方を見に行ったら…。
すごく面白いとこを発見!!!!



鉄道研究会、略して「鉄研」の広場。

ここの広場は私にとっても思い出深い場所だ。
現在 劇団桟敷童子の女優として活躍してるもりちえプレゼンツのお芝居やったんだ。三島由紀夫の「邯鄲」。ブルーシートでテント小屋を作って。

ここは今も昔もワクワクするスペースなのね。

子供に大人気の電車…ん? あれ?なんか大人が乗ってる?



毛皮の帽子、ハカセくん乗ってるw
自由の森を堪能してくれたようで嬉しい☆


その横では本物の蒸気機関車を黙々と整備する在校生。



写真を取り忘れちゃったけど、彼のブルースバンド、かっこよかったなー。


で、この鉄道の横では…。



アコーディオンと、ポッポーッ!
線路は続く〜よ〜♪ どーこまでも〜♪ ポッポーッ!

延々と続く演奏。

今回のイベントの裏ベストアクトだわこれ!
GENZのあっちゃんが「この世の楽園」と表現したほど。
彼らの演奏と鉄道アトラクションのコラボレーションは究極のエンターテイメントだった。


お!機関車も走った!



機関車の小さな内部に小さな炎が燃えているのが見えた。

この学校では全てが遊びで全てが学び。
そして、みんな本気。楽しむことに手をぬかない。


体育館から歌声が聞こえてきた。
自由の森学園を語るにあたり、外せないもの。
それが合唱だ。何百人もが全力で歌う合唱。
何かにつけてはとにかくみんなで歌いまくる学校。






当日の様子をYouTubeにアップしてくれた方がいたのでご紹介。

Peace in Harmony


海はとどろく 山は吠えるよ〜♪


ヒロシマの有る国で


“わたしの国と かの国の人の命は同じ この青い大地の上に同じ生を得たのに
ヒロシマの有る国でしなければならないことは ともる戦の火種を消すことだろう”


ほんとにその通り。


ぱっとみて在校生の合唱かと思ったけど、1〜33期生がまざってたんだね。
みんな高校生に見えるw


私はこのステージのすぐ横のドアの外で聞いていたんだけど、胸がいっぱいになりすぎて声が出なかった。世代の離れた者たちが、集まったその日にいきなり同じ歌をいくつも歌えるっていいね。

みんなで歌うのが楽しくて楽しくてしかたなかったのを思い出した。

言葉では表せない一体感。自分たちが作りだしている歌声が人の心を動かすと知っている喜び。
合唱は特別な時間だった。
きっと多くの卒業生が同じ気持ちで、こうやって何年も数十年も経ってるのに同じように歌えるし、歌いに来るんだよね。

学生の時は合唱する機会もたくさんあるけど、社会人になるとカラオケくらいでしか歌わなくなっちゃうんだよね。
定期的に大勢で唄う場面が日常にもっとあればいいのにって思った。

なぜなら、ハッピーになるから。

みんなが歌っているとおり、“Peace in Harmony”なんだもの。


おまけ。
この日のものではないけど、わりと最近の生徒の合唱もあった。現役生徒の歌声もぜひ聴いてね。
私の時代より、さらに楽しそうに歌ってるなー。




もちろん、生徒全員が歌好きなわけではない。
みんながみんな熱い奴でもない。

合唱の時間も、体育館のすぐ横でずっとスケボーをしてる子たちもいれば、校庭で遊んでる子、食堂の前でお喋りしてる子たちもいる。
そもそも学校行事に参加しない子もいる。

それらをすべて良しとするのが「自由」である。
それぞれが、それぞれの好きなことに自主的に参加してるんだ。
だからどこ見ても全力でやってるように見えるだよね。


合唱が終わると、日も暮れてきて、いよいよ、本日のメインイベント、ファイナルの時間に。



ファイナルは、校庭のメインステージで卒業生と在校生のバンド演奏。

ステージにライトが灯り、音楽の道へ進んだ卒業生たちの演奏が始まると、校庭は完全にフェス会場となった。ひとつのフェスが成り立つほど、たくさんのミュージシャンがこの学校を巣立っている。

私が記憶してるかぎり、ステージの上にいたメンバーを紹介すると…

ピアニストの荒井伝太さん、CINEMA dub MONKSの曽我大穂さん、ハナレグミ永積タカシくん、シタール奏者でシンガーソングライターのミナクマリちゃん、YoleYole児玉奈央ちゃん、ノノホとコーセイの野々歩ちゃんと小田晃生くん、サケロックの伊藤大地くん、ショピンの田中馨くん、リディメイツの黒須遊くん、モニカクリームズの清野美土くん、そして我らがギターリスト横田清宏くん などなどなど。
在校生のバンドは“きつねのよめいり”

十代から四十代のセンパイとコウハイが入り混じって素晴らしい演奏が続いた。

そして実行委員のみんなもステージに上がって、この日のためにみんなで作ったという歌『世界がいつか愛でみたされますように』を披露。
みんな、上がってきちゃえよ〜!と卒業生が声をかけると、ワラワラと在校生がステージにかけのぼってきた。
そしてなりふり構わず歌う歌う!肩を組んで楽しそうに。

歌うってこういうことだよなー!彼らのキラキラ光る姿に心打たれた。

どんな歌か知りたい方はここでプロモーション見れるよ。

https://www.facebook.com/video.php?v=349237068579550

十代のストレートな声。ずっと歌い継いでほしい。
All You Need Is Love


バンドの演奏が終わると、在校生実行委員のキャロラインちゃんのお話。
たくさんの思いを彼女は私たちに伝えてくれた。

みんなが納得するまで本気でぶつかりあってディスカッションしまくる校風のため、行事を運用するのがとっても大変なのは今も昔もおんなじだ。
在校生たちが卒業生を交えてフェスをしたいって考えて、そしてそれを実現するべく、大変な苦労を重ねてきたのが伝わって来た。

彼女が訴えたのは、

いろいろな人がいてそれでいいと思えることが大切

ってこと。
これはシンプルであって、とても難しくて、そして人類の最大の課題だ。

十代の女の子が、それを大勢の人たちの前で確信を持って言っている。

これが覇気も根性もないと言われている最近の若者の姿か??

ここにいる中高生たちは決して特別な人材ではない。
環境によって、人はいつでも自分を解放することができることをこの学校は示している。

一見のんびりしててゆるい印象の生徒たちだけど、人前にポンと出してみると、しっかり自分の意見を述べることができる。
この学校では誰も答えを教えてくれないし、やりたいことは自分で見つけないといけない。
自分と向き合い、人と語り合う訓練を毎日のようにしている。

キラキラの笑顔の在校生たちを見て、この学校が行っていることは、人間を覚醒させることなんだな、と思った。
これはなかなかすごいぞ!ここに連れてきたい人がたくさんいるんだ。人間は誰でも開くことができる!
私はここ数年探していたものの尻尾を自分の母校の校庭で捕まえられたような気がした。


キャロラインちゃんたち在校生の思いが伝わったところで、卒業生・在校生のバンドの演奏で〆の合唱。
ステージの上には卒業生のバンドと、在校生がいっぱい。
みんなで大合唱となった。

最後の最後に、大きな手作り熱気球がステージの後ろから昇って来た。
私の時代では、気球は学園祭の後夜祭の目玉だった。
気球のリーダーが気球に対する熱い思いを語った。このリーダーもすごい語ってたな〜。
一度途絶えた伝統を復活させたそうだ。ぜひまた受け継いでね!

ファイナルは写真で残せなかったので、私の絵でご勘弁をw




夜空に昇っていった気球。




自由の森学園 30周年おめでとう。

この素晴らしい節目に立ち会えたとこを、とても感謝します。

声をかけてくれたミナクマリちゃん、ありがとう!
音響の加藤さん、ありがとう!
ちゃんとご挨拶できなかったけど、キャロラインちゃんと実行委員のみなさま、すばらしかった!ありがとう!
卒業生代表のみれいちゃん、リマさん、ありがとう!

すばらしいフェスだった。
ありがとう、おつかれさま。

卒業生以外の人たちもとても楽しんでて嬉しかった。

好きなことをずっと続けてて、そして同じく続けているみんなに会えてよかった!




■ 2014/10/11(土)
自由の森学園30周年記念イベント
http://www.jiyunomori-30th-anniv.net/

Facebook
https://www.facebook.com/jimorifes


Writing : Chiyo

記事No.149

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