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セル

スティーヴン・キング 著

ある日突然、文明社会が終わった!!

穏やかな陽射しが落ちる秋の一日、ボストン午後3時3分。世界は地獄へと姿を変えた。“パルス”。そのとき携帯電話を使用していたすべての人々が、一瞬にして怪物へと変貌したのだ。残虐極まる行為もいとわず、犠牲を求め続ける凶悪な存在に―。目前で突然繰り広げられる惨劇、街中に溢れる恐怖。クレイは茫然としていた。いったい何が?別居中の妻と息子は? 巨匠の会心作、開幕。

◇感想と解説

『セル』 は人類の大半が人間ではない何かに変貌してしまってゾロゾロ徘徊し、文明社会が崩壊する類の物語である。

広い意味ではゾンビ物と言えると思うけど、『セル』はちょっと変わっている。
私たちが「ゾンビ」と聞いて想像するものとは少々異なる奴らが『セル』には登場する。

この奇抜な設定のおかげで、ゾンビたちが何か哲学的な存在に思えてきてしまうので面白い。
ネタバレになっちゃうのでここでは書けないけど、ホントにおかしなゾンビたちなのよね。

そして、物語は徐々に大変なことになってゆき…どうすんだこれ…収集つかないぞ…というところまで発展する。

この物語の結末は、なんかどひゃーって感じでw

▼ネタバレを開く

物語の冒頭で、ある瞬間に携帯を使っていた者たちが、何らかの電波?を受け取り、瞬時にして精神が破壊され、凶暴な携帯ゾンビになってしまう。
『セル』 のゾンビはそこで終わらずにだんだんと進化していくのが面白い。

最初はただ暴れて貪りつくすだけだったゾンビたちは、徐々に知性があるような振る舞いを見せるようになり、そしてひとつの意識を持った巨大な集合体へと変貌していく。なんだかちょっと アーサー・C・クラーク の小説のような世界。

登場人物が言うように、いったんフォーマットされて空っぽになった脳みそにあたらしいOSがダウンロードされインストールされたのだ。
また、『セル』 に出てくるゾンビがすごく変わっているのは、昼間活動して夜寝ている点だ。これによって、ゾンビたちが太陽の下でうごめき、まともな人間たちが闇に紛れて移動するという、何ともあべこべの世界ができあがっていく。

こうして、携帯人間とそうでないグループができるのだが、それがまるで新人類と旧人類の戦いのような様相を呈してくる。旧人類の生命を脅かす新人類が大多数となった場合、 「悪」 はどっちになるのだろうか。

ああ、それにしても、誰が???!!!! 何のため???!!!!
彼らが携帯人間になってしまったのは何のためだったのだ???!!!!

あえて理由をつけない、説明をしないという選択はすばらしくアートだし、このようなお話はあまり説明が過ぎるとバカみたいな世界になってしまうものだが、だがしかし、もう少し何かヒントが欲しい!!!

◇情報

2006.USA/Cell

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