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第四間氷期

安部公房 著

コンピューターが予測する未来とは?

現在にとって未来とは何か?
文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か?
万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった…。
薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。

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◇感想と解説

パソコンがこの世に登場するずっと前のお話である。
この物語で登場する電子頭脳は、電卓のお化けみたいな代物で。

どこか手塚治虫的な世界観で、テクノロジーに頼りすぎた人類の行く末を暗示している。この本が発表された1959年はソ連の月探査機(無人)がようやく月まで到達しボヤボヤの月の裏側の写真を撮ったり、日本ではぼちぼち民放のテレビ放送が始まったころ。

そんな時代にこの物語を書いてしまうとは…。とにかく洒落ている。
今読むと古臭いけど、これは超ハイテクな近未来SFなのだ。どうか、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が三種の神器とか言われていた時代に読んでいると想像してほしい。

逆に言うと、たった50年ちょっとでこんなに科学は進化しちゃったんだね。。
それも恐ろしい。

◇情報

1959.日本

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