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11/22/63

スティーヴン・キング 著

時空を超えた愛の物語

小さな町の食堂、その倉庫の奥の「穴」。その先にあるのは50年以上も過去の世界、1958年9月19日。このタイムトンネルをつかえば、1963年11月22日に起きた「あの悲劇」を止められるかもしれない…ケネディ暗殺を阻止するためぼくは過去への旅に出る。世界最高のストーリーテラーが新たに放った最高傑作。

◇感想と解説

タイトルとなっている日付。アメリカの歴史に詳しい人ならピンと来るだろう。
第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディが暗殺された日だ。

2011年に生きる高校教師がひょんなことからタイムトリップし、歴史を変えるために奮闘するお話。

本書でのタイムトリップには独特のルールがあり、まるで現実世界でロールプレイングゲームをしているみたいな面白さがある。

それから、『IT』の舞台の町≪デリー≫も登場し、ファンを喜ばせるシーンなんかも用意されてたりして。

ケネディ暗殺事件は、今でも謎が謎のまま解決していないことがあまりに多く、さまざま推理憶測が繰り返されてきた題材だ。
『11/22/63』では、念入りな取材の元にリー・オズワルドやその周辺の人物が生き生きと描かれており、物語を読み進めるうちに、いつしかこの歴史上の人物たちが身近な人々のような気持にさせられてくる。

人物だけではない。50年代末から60年代初めのアメリカの描写が実にリアル。
2011年に生きる主人公のジェイクは30代。タイムトリップした先の時代ではまだ生まれていない。
私たちは彼の目を通してひと昔前のアメリカを体験し、ジェネレーションギャップを味わうことができる。

空気と飯はやたらとうまいが、人種差別が当たり前で、女性の社会的地位も低く、そこかしこでみんながタバコを吸っている社会。
何の悪気もなく差別的なことを発する60年代の人たち。
そういう時代だったとわかっていてもショックだわよ。グローバル化、多様性を求められる現代社会も、こうやってめちゃくちゃな時代を経てたどり着いたのよね。ハチャメチャしてる他の国のことは誰も責められないな思う。

主人公のジェイクはこういった古い風習にも柔軟に順応しつつ、でも完全に染まるわけではなく、21世紀の感性を捨てずに彼が正義と思うことを貫いていく。
そうして60年代の世界にも友達や仲間を作っていくのだ。

60年代の人からしたら、2011年なんて超未来って感じだろうな。

『11/22/63』は、ケネディ暗殺の実行犯とされるリー・オズワルドの動向を追っていく面白さもあるけど、未来人ジェイクが過去の人々と繰り広げる人間ドラマも見どころのひとつだ。

なんと、この物語はキング作品中で最もロマンチックと言ってもいいくらいの、とっても切ないラブストリーなのである。

なんかケネディもオズワルドもどうでもいいやwってなりそうな。

果たしてジェイクはケネディを救えるのか~!!!

なお、『11/22/63』は人気の監督J・J・エイブラムスによってテレビドラマ化された。
少々ストーリーを端折ったところはあるが、ほぼ原作通りでキャストもイメージどおりの素晴らしドラマに仕上がっている。
ドラマもおススメなのでぜひどうぞ。

※時期によっては配信が終了している作品もあります。
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主人公ジェイクがタイムトリップして訪れる場所の中に≪デリー≫がある。
そこで私たちは懐かしい友達に会うことができる。立ち寄った≪デリー≫でジェイクは、『IT』の登場人物 リッチー・トージアとベヴァリー・マーシュがダンスの練習をしているところに遭遇する。
タイムトラベルの穴が通じている1958年といえば、子供時代の彼らがITと戦った年じゃないの!
ちょうど彼らはITとの闘いを終えたころじゃないかしら。
≪デリー≫の町はどこかよそよそしく何かあったのかな?という雰囲気である。
そんな中でリッチーとベヴのダンスシーンはキラキラと輝いて見える。
そう、私には二人が踊っている姿が見えるようだよ。この美しいダンスのイメージは後半のジェイクとセイディのイメージへと繋がっていくんだな。

◇関連作品

IT〈1〉 (文春文庫)

スティーヴン・キング 著

『11/22/63』の主人公ジェイクがタイムトリップして訪れる場所の中に、『IT』の舞台での町≪デリー≫がある。

少年の日に体験した恐怖の正体は何だったのか? 二十七年後、引き寄せられるように故郷の町に戻り、IT(それ)と対決する七人。

≫ レビューを見る

ハツカネズミと人間 (新潮文庫)

ジョン・スタインベック 著

『11/22/63』に出てくる本。

一軒の小さな家と農場を持ち、土地のくれるいちばんいいものを食い、ウサギを飼って静かに暮らす―からだも知恵も対照的なのっぽのレニーとちびのジョージ。渡り鳥のような二人の労働者の、ささやかな夢。カリフォルニアの農場を転々として働く男たちの友情、たくましい生命力、そして苛酷な現実と悲劇を、温かいヒューマニズムの眼差しで描いたスタインベックの永遠の名作。

◇情報

2011.USA/11/22/63

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複数の作品形態がある場合は、存在するものから ハードカバー/文庫/Kindle/DVD/Blu-ray の順番でリンクします。

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