Index

Review

> ファイアスターター

ファイアスターター

スティーヴン・キング 著

専門用語ではパイロキネシス
和名は念力放火

12年前、苦学生だったアンディとヴィッキーは、200ドルのために大学の心理学教室で薬物の投与実験をうけた。
娘チャーリーは、人や物を自然燃焼させる力 = 念力放火 (パイロキネシス) の能力をもって生まれてきた。
実験は、実は CIA の下部組織 ≪店≫ (ザ・ショップ) によるもので、超能力の開発を目的としていた。被験者たちを極秘に管理し、実験の結果を隠蔽しようとする ≪店≫ は、工作員を使って親子を執拗に追い回す。

◇感想と解説

薬物実験を受けた男女の間に産まれた娘には、念力放火の力が備わっていた…
薬の名前は「ロト・シックス」

概要だけを説明するとなんともチープ。。。

でも現実離れした組織や設定や登場人物たちも妙にリアルだから不思議。

特に主人公チャーリーが魅惑的である。
彼女はまだ7歳。

本当なら公園で遊んだり、学校に行ったり、みんなでおやつを食べたりしたい年頃。

だのに、彼女は孤独の中に生きなくてはならない。それは、この年頃の子供には重過ぎる運命。

こんだけのことをやらすのに、チャーリーってば幼すぎない?その設定でいいの?? と不安になってくるけれど、読み進めるうちに、主人公がこの年齢だから面白いんだな…と痛感。
ちょうどこれくらいの、他人と自分の区別や、善と悪の分別はできるようになったけど、まだまだ両親が必要不可欠な年頃でなくてはならないのだ。

同年代の他のお友達が両親の元でヌクヌクしている日常と、チャーリーが暮す世界とのギャップ。彼女は若干7歳にして自分や家族を守るために戦わなくてはならないのだ。

チャーリーったら、なんて強い子なの!!!
なんて賢いの!!!

この物語は筋道が 1本でわかりやすく、単純だけども妙な魅力を持っている。他のキング作品の超カオスに馴染んでしまうと若干物足りない感じはあるけれど、集中して物語を楽しみたい場合はちょうどよいかも。

ちなみに、本作品には、パトリック・ホックステッターという名前の精神療法士が出てくるが、この名前、『IT』 にも同姓同名の登場人物がいる。
ただし、両者はどう考えても別人であるので、キングの仕込んだトリックとは無関係のように思える。
偶然の一致なのかな。。

◇映画

そして、『ファイアスターター』 は 1984年 に映画化している。
(邦題:炎の少女チャーリー)

チャーリーを子役時代の ドリュー・バリモア が演じている。
原作とは関係なさそうな続編もあったりして、映画版 『ファイアスターター』 は独自の発展をしているようだ。

◇関連作品

クロスファイア

宮部みゆき 著

『ファイアスターター』 に多大なる影響を受けた作品。宮部 みゆき氏はキング好きとして有名。

青木淳子は常人にはない力を持って生まれた。念じるだけですべてを燃やす念力放火能力―。ある夜、瀕死の男性を“始末”しようとしている若者四人を目撃した淳子は、瞬時に三人を焼殺する。しかし一人は逃走。淳子は息絶えた男性に誓う。「必ず、仇はとってあげるからね」正義とは何か!?裁きとは何か!?哀しき「スーパーヒロイン」の死闘を圧倒的筆致で描く。

◇情報

1980.USA/Firestarter

◇Amazonで購入する

複数の作品形態がある場合は、存在するものから ハードカバー/文庫/Kindle/DVD/Blu-ray/4K/Prime Video(字幕/吹替) の順番でリンクします。

Fire TV Stick

Amazon prime videoや、huluの動画コンテンツをテレビ画面で見れる!
Fire TV Stickには複雑な設定は不要。HDMI端子対応のテレビに挿すだけで、簡単に映画やビデオをテレビの大画面で楽しめるデバイスです。豊富な品ぞろえのAmazon prime videoに加えて、HuluやNetflix、スポーツや音楽番組のアプリで、映画やドラマからスポーツまでお気に入りのコンテンツを一台で楽しめます。

▲TOP