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パイオニア10号が見たもの

パイオニア10号 は、1972年に打ち上げられた世界初の木星探査機。その名のとおり、宇宙の開拓者だ。人類の手紙を乗せて飛んでいる。パイオニアは、木星の探査を終えたあと、太陽系外を目指すことが決まっていたので、カール・セーガン博士の発案の宇宙人へ向けたメッセージボードが取り付けられた。

きっとこの図、1度は見たことがあるだろう。
ちなみに、世界中の音が入ったゴールデンレコードが付いたのはこの後のボイジャー。

パイオニア10号は、1973年に木星の観測をしてから、太陽系脱出を目指し、ボイジャーに抜かれるまで、人が作ったもので最も遠くにある物体として旅を続けた。

パイオニア10号 は、太陽系の進行方向と逆向きに進んでいて、彼の後を追ったほかの惑星探査機達とは反対側いる。

つまり彼はひとりぼっちで旅を続けているのだ。
想像すると超さみしい・・・。

パイオニア10号は、30年間にわたり地球と交信していたが、2003年1月22日の通信を最後に沈黙。
その最後の電波は、巨大アンテナ郡でキャッチされた、かすかな かすかな ささやきだった。

泣けるじゃないの〜。

10号が何て言ったのかはわからないけど 「ぼく、行ってきます。さようなら。」 とお別れを言ったに違いない、と勝手に妄想。

なお、10号は現在、地球から 約 93 AU [*1] の地点に到達したと推測されている。

[*1] 1AU = 太陽→地球の距離 約 1.5億km

そして彼は現在でもアルデバラン (おうし座) に向かって秒速約 12km で飛行中。
アルデバランには200万年後に到着する!!!!!

太陽系外に出ていった探査機の位置はこちらのページでリアルタイムに見ることができるので、チェックしよう!!!

Spacecraft escaping the Solar System
http://heavens-above.com/solar-escape.asp
※「P」 がパイオニア、「V」 がボイジャー。

・・。

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さて、ここからちょっと難しい話になるが、世界ではじめて太陽系の外に向かったパイオニアは、妙な動きをデータとして送って来た。

これが、パイオニア・アノマリー と呼ばれる現象。

宇宙空間を飛んでいく探査機達の軌道は計算で予測が可能だ。難しい理屈はわからないけど、計算できるというのは なんとなく想像がつく。それで、パイオニア達も計算された道を飛んで行ったのだけど、天王星の軌道を超えたあたりから、予測と実際の位置に無視できないズレが生じ始めたという。

Wikipedia をはじめ、これについていろいろ解説してるページはあるんだけど、宇宙空間でのスピードや距離は、全てが相対的になるので言葉で説明されても、どっち向きの話なのかさっぱりイメージできん。。。

まあ、簡単に言ってしまうと、

予測値より手前を飛んでいる

らしい。

これが何を表すかというと、現在の私達が知らない何かの力が働いているということだ。残念ながら、パイオニアは沈黙してしまったのでその後どうなったかはわからない。
研究者たちは、いままでパイオニア達が送ってきたデータを元に原因を探っているけど、今のところ明確な回答は出されていないようで。
いろんな説があるけれど、どれが一番わくわくする???

  1. 単なる誤差
  2. 未知の天体や物質が及ぼす影響
  3. 太陽風や宇宙線、チリなどの摩擦
  4. 原子力電池がガス漏れして推力が生まれた
  5. 太陽光、無線通信、電池の熱などによる放射圧
  6. 探査機が帯電したことによる電磁気力
  7. 宇宙全体が作る重力場と膨張によるその変化がもたらす原子時と暦表時の間の時間のずれ
  8. 修正ニュートン力学 (MOND) が主張する遠距離での相対的に強い重力
  9. 時間と空間が同じペースで拡大するとする修正定常宇宙論である拡大時空理論 (EST, 旧称 SEC) による説明

つうか、最後の3つは何やねん。さっぱりわからん。
この難解な3つ以外は、詳しくはわからないけど何だか普通の理由っぽいので、この難しい最後の3つのどれかが原因だったら面白いのになぁ…。パイオニアが沈黙してしまった今は、次の探査機たちの情報を待つしかない。

現在 冥王星を目指し中で、太陽系脱出が予定されている ニュー・ホライズンズ が パイオニア と同じ制御方式だそうで、何らかの情報をもたらすことが期待されている。ボイジャーは違う方法で制御されているのであまり参考にならないらしい。

ニュー・ホライズンズ は 2020年過ぎに太陽系を脱出する予定。
14年ほどで脱出しちゃうのか〜早い! 今のとこ世界最速。

2007.03.27
※記事の内容は私が独自に調べてまとめた内容なので間違いもあるかもです。そしたらごめん。
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